「産業保健師の面接の実際ってどんな感じかな?企業の面接は初めてだから緊張する…できれば一発合格したい!合格するポイントってあるのかな。」
産業保健師として企業で働くためには、書類選考や面接を突破する必要があります。しかし、未経験者にとっては「どんな質問をされるのか」「どのように対策すればいいのか」と不安に感じることも多いでしょう。
私も以前は看護師として病院で働いていたので、採用面接を受けに行った際、慣れない場所に戸惑い不安でした。
本記事では、産業保健師の面接対策を7ステップで詳しく解説します。

私は未経験から産業保健師になった経験があるため、実体験を交えてお伝えします。
産業保健師の採用面接では事前準備が重要です。しっかり準備をすれば、未経験でも採用を勝ち取ることは可能です。ぜひ最後まで読んで、面接対策の参考にしてくださいね。
(ここが評価される!)産業保健師の面接でみられる3つのポイント

産業保健師の面接では、一般的な看護・保健指導の知識だけでなく、「企業で活躍できる人材かどうか」が重要視されます。ここでは、面接官が評価するポイントを3つ紹介します。
- コミュニケーション力
- 一般的な事務スキル
- この企業で活躍できる人材か
コミュニケーション力
産業保健師は、コミュニケーション力が必須です。
なぜなら、従業員や人事担当者、産業医など多くの人と関わる仕事だから。
保健指導をする際も、相手の話をしっかり聞き、適切に伝える力が求められます。
具体的には面接官は以下のポイントを見ています。
- 受け答えがスムーズか
- 質問の意図を正しく理解しているか
- 笑顔でハキハキ話せるか
ポイントを押さえるとともに、身だしなみや言葉づかい、姿勢にも気をつけましょう。
産業保健師は従業員の健康を支える立場です。そのため、ただ知識があるだけでなく、「話しやすい」「信頼して相談できる」と思われることが大切です。

目上の人であっても、円滑にコミュニケーションが取れるかも評価されますよ。
一般的な事務スキル
産業保健師として働くには、 基本的なパソコンスキルが必須です。
なぜなら、健康診断結果のデータ管理や面談記録の作成、検診機関など外部とのメールのやり取りなど、日常的にパソコン作業を行うことが多いから。
具体的には、
- WordやExcel、PowerPointの基本操作
- メールや電話対応のマナー
これらは最低限マスターしておきましょう。

とはいえ、細かいスキルは業務を通して身につければOK。面接官から事務スキルについて質問があれば、上記は一通りできることを伝えましょう。
この企業で活躍できる人材か
産業保健師の業務内容は企業によって異なります。面接官は「この企業の環境に適応できる人材か」をみています。
なぜなら、すぐに活躍できる人材を雇いたい、ミスマッチを防ぎ、できるだけ長く働いてもらいたいと思っているから。
そのため、事前に企業の特徴を調べ、
- 社風や理念に共感していること
- 企業の健康課題に対して貢献できるスキルがあること
をアピールできるように準備することが大切です。
企業について詳しく知っていれば、「この企業でどうしても働きたい」という熱意が面接官に伝わります。採用ページやホームページ、SNSを一通りチェックしておきましょう。

また、前職での経験をどのように活かすのかを考えておきましょう。
(未経験者でもOK)産業保健師の面接を突破する7つのステップ

ここからは、 未経験から最短で産業保健師に合格するための具体的なステップを解説します。
- 産業保健師の基礎知識を勉強しよう
- 志望動機を作りこもう
- 実際の面接の流れを知ろう
- 質問対策をしよう
- 逆質問を用意しよう
- 模擬面接で本番に備えよう
- 面接当日の心構え
ステップ1:産業保健師の基礎知識を勉強しよう
まずは産業保健師の仕事内容や役割を理解しましょう。
なぜなら面接官は産業保健にくわしい人材を優先的に採用するから。
具体的には
- 企業における産業保健の重要性
- メンタルヘルス対応
- 健康診断の事後措置
- ストレスチェックについて
- 衛生委員会について
- 職場巡視について
といった基本知識を身につけておきましょう。
面接時の受け答えがスムーズになるだけでなく、面接官にこの人は産業保健がよくわかっているなと一目置かれます。
まずは産業保健の全体像を掴むために、書籍で勉強しておくのがおすすめです。

未経験で産業保健師について何もわかっていない人材よりも、経験者を優先して採用するのは当たり前ですよね。基礎知識だけで十分なので、産業保健の本を一冊読んでサクッと勉強しておきましょう。
ステップ2:志望動機を作りこもう
最短で採用試験を通過するためには、「なぜ産業保健師になりたいのか」「なぜこの企業を志望するのか」を明確にすることが大切です。
理由としては、面接官はやる気がない人材よりも熱意ある人と一緒に働きたいと思うから。
志望動機には、
- 産業保健師を目指したきっかけ
- 企業の魅力を感じた点
- 自分の経験がどう活かせるか
を盛り込み、説得力のある内容に仕上げましょう。

未経験者は経験がない分、熱意で勝負することになります。面接官に「これだけやる気がある人なら、入社後も頑張ってくれるだろう」と思われる人材を目指しましょう。
ステップ3:実際の面接の流れを知ろう
産業保健師の面接は、一般的に 1〜2回行われます。面接では面接官からいくつか質問があり、最後に逆質問をするという流れです。
- 一次面接:人事担当者や現役の産業保健師が対応
- 最終面接:役職者や役員が同席
面接の流れを把握しておくと、落ち着いて受け答えできます。
事前に転職エージェントに、面接の回数や適正検査の有無を確認しておきましょう。

私の場合は、面接が2回ありました。初回は人事担当者、2回目は部長と役員の面接でした。
この後に私の実体験も紹介するので、ぜひ最後までみてくださいね。
ステップ4:質問対策をしよう
よくある質問に対して、 自分の言葉で答えられるように準備しておきましょう。
なぜなら、行き当たりばったりでは思うように言語化できず、伝えたいことを100%伝えることができないから。
面接では、志望動機やこれまでの経験について深掘りされることが多いです。
自分の言葉で質問への回答を文章にして言語化しておきましょう。
事前準備を行うことで、本番で自分の力を出しきることができますよ。

よく聞かれる質問内容と答え方はこの後くわしく解説します。
ステップ5:逆質問を用意しよう
面接の最後に 「何か質問はありますか?」 と聞かれることがほとんどです。
「特にありません」と答えると、面接官に「本当にこの企業で働きたいのかな」と思われかねません。
聞かれてもすぐに質問できるように、事前に2〜3個用意しておきましょう。
例えば、
- 「産業保健師として成長するための研修制度はありますか?」(入社後にスキルアップする環境があるか確認するため)
- 「メンタルヘルス対応で大切にしていることはありますか?」(企業の方針を知るため)
- 「一緒に働く保健師はどんな人ですか?」(職場の雰囲気を知るため)
といった質問を用意しておくと好印象です。
逆質問は事前に用意しておき、企業に関心を持っていることをアピールしましょう。

逆質問を通して、あなたの誠実さが伝わりますよ。
ステップ6:模擬面接で本番に備えよう
事前に模擬面接をして、質問にスムーズに答えられるか確認しておきましょう。
なぜなら、模擬面接をすることで、 本番の緊張感を和らげたり、もう少し練った方がよい質問回答が明確になるからです。
具体的には
- 家族や友人に面接官役をしてもらい
- よくある質問について答える練習をする
- フィードバックをもらい、改善点を洗い出す
のがおすすめです。

面接官役をしてくれる人が周りにいない場合は、スマホで動画をとって見返してみてください。話すスピードや表情、わかりやすく伝えることができているかをチェックしましょう。
ステップ7:面接当日の心構え
当日はリラックスしつつ、第一印象を意識する ことが大切です。
なぜなら第一印象が悪いと、その印象が残って評価が引っ張られてしまうから。
具体的には、下記を意識して面接に望みましょう。
(身だしなみ)
- 化粧はナチュラルに
- ヘアカラーは暗め
- スーツ着用
- 髪が長い場合はまとめる
(その他)
- 明るい声色
- はっきりと聞き取りやすい口調で話す
- 背筋を伸ばし、笑顔で対応する
意識するかしないかで、面接官の印象が大きく変わります。第一印象を意識することで、面接官に好印象を与えられます。

とはいえ緊張するのは当たり前です。緊張すると早口になりがちなので、ゆっくり話すのを意識してみてください。
よく聞かれる質問と答え方

採用面接でスムーズに受け答えするために、よく聞かれる質問への答えを準備しておきましょう。
簡単な自己紹介をしてください
回答例→ 「〇〇(フルネーム)と申します。これまで◯◯病院で看護師として3年間勤務しておりました。現在は、〇〇病棟で◯◯を担当しており、病気の悪化予防のための生活指導にも力を入れています。本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。」

面接官から「簡単に」との指示があれば、簡潔に答えるようにしましょう。面接官は指示を守れるかどうかもチェックしています。
この会社を志望した理由はなんですか?
回答例→ 「貴社の健康経営の取り組みに共感し、私の経験を活かせると感じたため志望しました。」

採用担当者は、企業とミスマッチがなく長く働ける人材かどうかを見ています。
保健師になろうと思ったきっかけは?
回答例→ 「看護学生の頃、祖父が生活習慣病で倒れたことをきっかけに、予防医療や健康管理に興味を持ちました。大事な家族が倒れたときのつらい気持ちがよくわかるので、病気になる前に一人でも多くの人の健康をサポートしたいと考えたためです。」

あわせて産業保健師になりたい理由も言語化しておきましょう。
前職での業務内容や経験を教えてください
回答例→ 「日々の看護に加え、糖尿病の患者さんの看護を担当しており、食事や運動に関する生活指導に力を入れています。患者さんの話を聞くことを大切にしており、一人ひとりに寄り添うことを重視していました。」

面接官はあくまで医療知識のない一般の人なので、細かい業務内容を伝える必要はありません。募集理由(増員、産休代替、欠員)を踏まえて、前職での経験をアピールすることが大切です。
どんな保健師になりたいですか?
回答例→ 「気軽に相談してもらえるような従業員にとって身近な保健師になりたいです。一人ひとりに寄り添い、傾聴を大切に活動していきたいと考えています。特にメンタルヘルス対策に力を入れていきたいです。」

面接官に「あなたと一緒に働きたい」と思ってもらえるような人となりをアピールしましょう。
保健指導の経験はありますか?
回答例→ 「看護師として働いていた時に、糖尿病や心不全などの患者さんの食事や運動などの療養指導をしていました。患者さん一人ひとりに合わせたパンフレットの作成経験もあります。」

産業保健師未経験の場合は、退院指導や生活指導の経験を具体的に伝えるとよいでしょう。
未経験でも産業保健師になれた私の成功体験談

私は看護学生の頃、大好きな祖父が持病の手術後に急変し、寝たきりになりました。その時、「もっと早くに健康管理していたら…」と悔しい思いをしたんです。この経験から予防医学に興味を持ち、「保健師になりたい」と考えるようになりました。
とはいえ、まずは臨床経験を積みたいと思い、新卒で総合病院に就職。約3年間勤務した後、金融企業の産業保健師へ転職しました。
本来、応募条件には「経験者」と記載されていましたが、ハローワークの方が企業に問い合わせてくれた結果、未経験でも採用試験を受けられることに。ダメ元で尋ねてみてよかったなと思います。
試験は面接のみで、1次面接は人事担当者、2次面接は役職者や役員との面接でした。企業での面接は初めてだったので、緊張して手汗がすごかったのを覚えています。
面接では、地元企業であることに親しみを感じていたこと、そして「地元で働く人々の健康を支えたい」という想いを熱意を込めて伝えました。
産業保健師の経験はなかったため、ほぼ熱意一本勝負でしたが、無事に内定を獲得できました!
特に役立ったポイントは、以下の2つです。
- 企業について徹底的にリサーチしたこと
- 予想される質問を事前に洗い出し、回答を準備したこと
しっかり準備していたおかげで、面接当日も聞かれた質問に対してスムーズに答えることができました。

未経験の方は、経験の代わりに熱意を伝えることが何より大切です!事前準備をしていれば、当日はこれだけやったんだから大丈夫とふっきれますよ。
(面接に落ちた場合)次に生かす方法5つ

面接に落ちると確かに落ち込みますが、見方を変えれば失敗を重ねる度にブラッシュアップし、成功に近づいているとも言えます。
もし面接に落ちてしまっても落ち込むのはほどほどに、次につなげるための行動をとりましょう。
①質問された内容をメモしておく
面接でどんな質問をされたのか、 できるだけ詳しくメモしておきましょう。
なぜなら、他社でも同じようなことを聞かれる可能性が高いから。
面接から時間が経つと忘れてしまうため、できるだけ早めに記録として残しておきましょう。
②面接の振り返りを行い、改善点を洗い出す
面接後、できるだけ早めに振り返りをしましょう。
理由は、振り返ることで次の面接に活かすことができるから。
以下を振り返りましょう。
- うまく答えられなかった質問
- よりよくするための改善点
次回の面接に向けて改善策を考えることで、合格への道が近づきます。
③職務経歴書を見直す
書類選考で落ちてしまった場合は、職務経歴書の内容を見直しましょう。
産業保健師に活かせるような
- 前職でのスキル
- 経験
を具体的に書くと通過率が上がります。
改善点がわからない方は、転職エージェントに相談するのも一つの手です。
④不採用の理由を応募先に確認する
企業によっては、不採用の理由を教えてくれる場合もあります。
応募先に問い合わせてみましょう。理由がわかれば、対策を出しやすいですよ。
⑤面接でよく聞かれる質問の答えを再度考える
一度ひと通り考えていたとしても、再度見直してみましょう。
何度も何度も見直し、考えることで、徐々にブラッシュアップできます。
これくらいでいいやと妥協するのではなく、「もっとよりよくならないかな」という視点で取り組んでみてください。
まとめ
産業保健師の面接対策は準備がカギです。
これらの対策を実践すれば、未経験でも産業保健師の面接に合格する可能性がぐっと高まります。まずは、志望動機の準備から始めてみましょう!

しっかり準備することで、事前に対策していない人と確実に差をつけられますよ。
良い結果になることを心から祈ってます。
よくあるQ&A

書類選考を通るためのポイントは?
→ 職務経歴書には「産業保健師に活かせるスキル」を具体的に書きましょう。
なぜなら、採用担当者は企業ですぐに活躍できそうな人材かどうかをみているから。
産業保健師の経験がない場合は、前職での経験をどのように活かすかという視点で書いてみてください。

書類選考の通過率がぐっと上がりますよ。
適性検査はありますか?
→ 企業によっては実施されることがあります。
一般的には性格診断や基礎能力テストが行われます。

慌てないためにも、事前に転職エージェントを通して確認しておきましょう。
看護師でも企業で働くことはできる?
→ 産業保健師の求人の中には、看護師資格のみで応募できるものもあります。
しかし、看護師がストレスチェックの管理者を担当する場合、研修が必要となるため、近年では募集要件として保健師資格が必須となっている求人が多い印象があります。
稀ではありますが、工場を持つ企業などでは救急対応などが必要となることもあり、臨床経験が役立つ場面があるのは確かです!

企業で働く上で、臨床経験は間違いなく強みになりますよ。しっかりアピールしましょう。
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